先日友人K氏およびM氏と共にKすけ屋という飲食店にご飯を食べにいった。
このKすけ屋というのは学生向けの安い定食屋である。
つまり、安くて量があるがまずいのである。
どんなメニューがあるのかというと、普通にマーボー丼や中華丼といった丼物からカレーといったものまで一応一通りそろっている。
しかし、メニューを見ただけでは内容がわからない、いや、勘違いしてしまうものもある。
例えば牛肉天丼。
みなさんはどのような丼を想像しただろうか。
おそらく、牛丼+天丼のスペシャルタッグ丼を想像して、よだれを垂らしかけているに違いない。
間違いない。
しかし、これを注文したらびっくり!?
なんとご飯の上に牛肉の天ぷら(ほとんど衣)がのっているではないか。
これは意表をつかれる。
おもわず垂らしたよだれが逆流してきそうだ。
そして、Kすけ屋の極めつけのメニューがピラミッド丼である。
他のメニューが450〜650円なのに対して、このピラミッド丼は1000円と異様に高い。
しかも注意書きがしてある。
「一人食べきり、食べ残し罰金1000円也」
ここまで書いてあったら普通は目を通すだけで決して注文しないであろう。
しかし、ここはK氏、やってくれました。
突然、
「今日はいけそうな気がする。」
と、謎の言葉を残し、果敢にも無謀にもこのピラミッド丼を注文してしまったのだ。
しかも注文時、店員が
「量がすごく多いんですがホントによろしいんですね。」
と、数回確認を入れる始末。
これは相当すごい物がやってきそうだ。
傍観者は余裕である。
期待をこめて、待つこと約15分・・・
そしてついにKすけ屋究極の品、ピラミッド丼が運ばれてきたのだ!!
そしておもむろにK氏の目の前にドンと音をたてて着陸した。
その瞬間、K氏はあまりの衝撃で
@目を大きく見開きました。
A口を大きくあけました。
B鼻の穴を前回にして大量の空気を摂取しました。
C髪の毛がちょっと逆立ってました。(のような気がした)
D1〜4を満たしながら数秒間固まってました。
あんなにすごいK氏をこんな状態にまでしてしまうピラミッド丼、恐るべし。
いったいピラミッド丼とはどんな食べ物なのだろうか。
あいにく写真はないのだが、あまりにつっこみどころが満載だったので文字で表現してみよう。
まず、皿の大きさがすごかった。
イスの座るとこと同じくらいの広さの平べったい皿にのせられていたのである。
どうして丼なのに平べったい皿なんだろう、という疑問がその場で浮かばないくらいでかいのだ。
そしてそのでかい皿の上にご飯が圧縮されてつがれていた。
さすがは4000年持ちこたえているピラミッドという名がついているだけあって内部もかなり頑丈なつくりになっているようだ。
これではそう簡単にピラミッドを崩壊させることはできない。
そして圧縮されて固められた大量のご飯をなぜか大量の揚げ焼きそばがまるで甲羅のように覆っているのだ。
これでは内部のご飯に侵入することさえ困難極まりない。
さらに甲羅と化している揚げ焼きそばの上に、大量のたれ(キャベツ入り)がかけられているのだ。
しかもこのたれ、後でK氏に事情聴取したところ、ものすごく油っこくて味が濃いみたいだ。
注文した客から罰金1000円也を回収したいとしか思えないのは私だけだろうか。
ちなみにご飯を守る甲羅と化した揚げ焼きそばも「ちゃんと油きったのか?」と尋ねたくなる位油ぎっていたらしい。
と、まぁこんな食べ物?が目の前に現れて、M氏に
「うわっ、これは無理や。」
と言われ、K氏も少しばかりは動揺しているようだ。
その動揺をバレてるけど隠そうと、早速スプーン片手にピラミッドを破壊し始めた。
私とM氏がじっと見守る中、K氏は必死でスプーンを動かしていた。
さすが「今日はいけそう・・・」と言っただけあって、ものすごい勢いでピラミッドを攻撃している。
一回で口に運ぶ量もはんぱなく多い。
これだと私の注文したおろしわさび丼なんか10口もいかずに勝利宣言をだせそうだ。
しかし、現実はそう甘くなかった。
ピラミッドのK氏側の方は確かに破壊されつつあるも、そのあまりの大きさのために
反対側にいた私たちは
ほぼ完全な状態で
ピラミッドをおがむことができたのだ。
つまり、食べても食べても量が減らないのだ。
そして見守ること25分、ついにピラミッドの私たち側が崩壊の時を迎えた時、K氏の顔にあせりの色が出始めていたのを私は見逃さなかった。
後半に続く
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