2004年9月15日、僕はは海外旅行は初めてというK氏を引き連れてはるばるヨーロッパに出発した。
しかもこの旅はいわゆるパック旅行というものではなく、日本でホテルと航空券だけ予約して、
後は現地で何とかなるでしょ
というノリで計画したものであったためにおそらく海外旅行がはじめてのK氏はかなり不安であったと思われる。
しかもK氏はこの旅中に様々な常人ではありえないハプニングを発生させたため、
K氏にとってこの旅は一生忘れることのできないものとなるにちがいない。
のちのちこのハプニングも紹介するとしよう。
この日は昼前に広島駅を出発し、のぞみ・はるかと乗り継いで関西空港へと向かった。
はるかに乗り換える時、乗り換えの時間が20分近くあったため、新大阪駅の立ち食いうどん屋で腹ごしらえした。
これはうまい・はやい・安いの三拍子そろった店でかなりよかった。
しかし、この好印象が帰りに最後のハプニングを巻き起こすとはこのときは誰もが想像しなかったことだろう。
さて、無事に関西空港に到着した僕らは手早く荷物を預けて本当の昼食をとることにした。
関西空港にはたくさんの飲食店があるため、なかなか「ここだっ!」という店を選べなかった。
そうこうしているうちに時間は過ぎ、そろそろゲートに行ったほうが行った方がいいのでは、という時間になってきた。
これは痛い。
いきなり先制のジャブをくらった感じだ。
われわれは急ぎ足で目の前の店に入った。
そう、韓国料理店に……。
あぁ、なんたる不覚。
これから約二週間日本を離れるというのに、汗をかきながら辛いビビンバを食べて日本を旅立つことになろうとは。
「神様、出発前からこんなおいしいネタはいりません。ホントに…。」
ビビンバを完食したわれわれはゲートに向かうべく、セキュリティーチェックという金属探知機のゾーンを通過することにした。
同時多発テロ以来このチェックは厳しくなっているのだが、ポケットの中の携帯や小銭を外に出しておけば何事もなく通過できるはずである。
しかしこんなところでもK氏はぬかりがなかった。
僕がこのチェックを何事もなく通過して荷物を返してもらっていると、後ろのほうでピーという音が聞こえたのだ。
あわてて振り返ってみると案の定K氏がひっかかっているではないか。
そのときのK氏の驚きの顔を物で例えるとするならば、まるではにわのようだった。
すぐさま寄ってきた警備員に「何かポケットの中に入ってませんか?」とたずねられると、
なんと小銭が大量に出てくるではないか
更にはベルトまで脱がされる始末…。
もう見てられません。
しばしの休憩の後、われわれはついに飛行機に乗り込んだ。
実はこの飛行機、ゲーム付きなのである。
しかも任天堂。
マリオやポケモンがやり放題というわけだ。
今回の旅行は飛行機の中が一番楽しかったなぁ。
そして、飛行機に乗ること合わせて約18時間。われわれはようやく目的地であるアテネに到着したのだ。
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