前日に予約したベルギーツアーに参加することになった僕らは朝早くからバス乗り場へと足を運んだ。
この日はバスでオランダの隣国であるベルギーに行く予定である。
まずはフランダースの犬で有名なアントワープに行き、その後首都であるブリュッセルに行くことになっている。
これが最後の観光となるので気合を入れてバスに乗り込んだ。
値段の安い英語ツアーにしたせいでバスの中は外人たちで一杯だった。(当然か・・・)
そこに謎の東洋人二人組みが乗り込んできたのだからみんなの注目を浴びるのも仕方がない。
しばらくバスの中で待っていると、やや予定時刻を過ぎてバスはアムステルダムを出発した。
しばらくバスに乗っているとバスガイドさんがベルギーの説明を始めた。
そこでバスガイドさんが
『ベルギーはオランダの隣の国です。国境を越えるときに大きな橋があるのでそれが目印です。』
見たいな事を言った。
そこで半分寝ぼけ眼で聞いていた僕は国境という言葉で一気に目が覚めた。
というのは、パスポートをホテルに預けたままだったからだ!
半分眠った頭の中にはEUという文字はなく、ガイドさんの国境という言葉だけが何度もこだましていた・・・
つまり、パスポートがないと入国できないのではないか?と思ってしまったのである
今から考えれば当然EU内はパスポートなしで自由に行き来できるから心配要らないのだが、
アントワープに着くまでは一人でひやひやしていたのである。
案の定国境でパスポートを点検されることはなく、僕らを乗せたバスはアントワープに到着した。
アントワープはフランドル地方にある都市である。
アントワープで最大の見所といえばフランダースの犬で有名なルーベンスの名画があるノートルダム大聖堂である。
アントワープでの自由時間に早速僕らはそこに足を運んだ。
ノートルダム大聖堂は思ったより大きく、ゴツゴツした感じの建物だった。
中には有名なルーベンスの4つの絵画もあった。
この絵をネロとパトラッシュは見たはずである。
余談だが、日本では『フランダースの犬』はかなり有名な作品だが、現地の人はこの話をあまり知らないらしい。
さて、ノートルダム大聖堂を出た僕らは昼ごはんを食べようと市庁舎前の広場にやってきた。
ちなみに中央の銅像はアントワープの町の名前の由来でもあるブラボー像である。
と、ここでガイドさんが昼食にはムール貝を食べるのがよろしい、見たいな事を言い出すではないか!
昨日食べたんですけど・・・と思いつつも話を聞いてると、どうやらオランダよりも質のいい物が安く食べられるらしい。
なんかちょっと損した気分になったし・・・
アントワープを観光した僕らは次にベルギーの首都であるブリュッセルに向かった。
ブリュッセルに着くなり目にしたものに僕らは愕然とした・・・
!!
何これ??
実はこれ、アトミウムという建物。
話によると昔の万博で建てられたものだとか・・・
そして現在も会議場として使われることがあるとかないとか。
でもこの中には入りたくないのは僕だけだろうか?
そして次に向かったのがグラン・プラスというブリュッセルの中心とも言える広場である。
ここにあの有名なゴディバの本店があるという話だ。
さっそく僕らはそこに行ってみることにした。
ちなみにこの建物は、この広場にあるブラバン公の館である。
隣には市庁舎や王の家などが並んでいる。
ついでにゴディバの店に寄ってみると、
ここは日本か?
と勘違いしたくなるほど日本人ばかりだった・・・
グラン・プラスを後にした僕らは次にダカラのCMで一躍有名になった小便小僧を見に行くことにした。
どうやらこの小便小僧、現地の人からは
『ジュリアン』
という名前で親しまれているらしい。
そして世界中から毎日のように『ジュリアン』用の洋服が送られてきて、毎日のように着替えているらしい。
小便小僧を見た僕らは、ガイドさんの後を追ってバスに向かっていた。
と、その時、
『おぅ!』
というK氏の謎のうめき声が聞こえてくるではないか?!
よく見ると、歩道の真ん中になぜか建てられた背の低いポールに足を強く打ちつけてしまったらしい。
しかもななめ後ろにいた外人ツアー客に笑われているし・・・
この旅行の始めにギリシアでも似たようなことをしているような・・・
でも、毎度毎度外人を笑わせるK氏はすばらしすぎると思うのは僕だけだろうか。
そして僕らを乗せたバスは、集合時間に大幅に遅れてみんなに迷惑をかけた外人観光客のおかげせいで
予定時刻に何時間も遅れてアムステルダムに到着した。
外人は時間にルーズというが、さすがにこの観光客は遅れすぎたためにバスに置いていかれそうになっていた。
しかも、間一髪でバスに乗り込んだときには、なぜかバスのみんなが拍手で出迎えていた
日本だったらみんなから非難をうけるのになぁ・・・と思いつつも、文化の違いを改めて認識したのであった。
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