この日はギリシア観光の最終日だ。
ギリシア観光のラストを飾るのはデルフィだ。
デルフィはギリシアの中部に位置しているのでアテネからバスで片道3時間近くかかってしまう。
つまり、今日は一日のほとんどをバスの中で過ごすことになる。
ギリシアはとても乾燥していて暑いので僕らはいつもペットボトルの水を携帯している。
特によく水を飲むK氏は長旅ということもあり、特大サイズの1.5Lのペットボトルを持参している。
これがK氏に思わぬ事件を巻き起こすこととなる。
アテネを出発して約1時間、もうちょっとでトイレ休憩というところでそれはおきた。
ここ数日間イスに座ってばかりで腰の調子がおかしくなっていたK氏はバスの中でイスに座ったまま体を伸ばし始めた。
そして、おもむろに持っていた1.5Lのペットボトルをシートと腰の間に入れ、
「あ〜、これは気持ちいい!」
と、もたれかかったのだ。
その瞬間ものすごい勢いでK氏が跳ね上がった。
一体何が起こったのだろうとK氏の方を見てみると、ペットボトルがK氏の圧力に耐え切れずに水が漏れてしまったようだ。
当然K氏のシートおよびズボンのお尻の部分はびしょ濡れになってしまった。
そしてそれが乾く間もなくバスは休憩所に到着した。
K氏は尻が濡れているからか、休憩中変な動きをしていた。
休憩を終え、しばらく山道を走った後僕らをのせたバスはデルフィに到着した。
デルフィは古代ギリシアでは「大地のへそ」と考えられており、そこに存在するアポロンの神域を求めて全世界から巡礼者が訪れて栄えていたらしい。
全盛期にはスポーツの祭典も開催され、遺跡の中には競技場も残っている。
しかし、そんなデルフィも火災や地震で倒壊し、現在残っているのは再建されたものである。
再建されたといっても現在残っているのは紀元前4世紀に再建されたものだからすごく古い建物(?)である。
ちなみにこの写真がアポロン神殿跡である。
もう今ではどんな建物が建っていたのか想像するのも難しいくらいに壊れています。
再建された後も地震が数回起こり、崩れて廃墟になっていたものを近年復興して今に至っているという話だ。
また、遺跡の中腹にある野外劇場からの景色はとてもきれいだった。
昔の巡礼者はこの山を歩いて登っていたというのだから驚きだ。
というのもこの辺りは絶壁が多く、バスでも細いくねくねした道を長い時間かけて登ってきたからだ。
デルフィの遺跡を見学した僕らはギリシアの観光を終え、アテネへと戻った。
そして、最後のギリシア料理をタベルナで堪能し、もちろん晩酌をして就寝した。
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